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そばお まさひろ
そばお まさひろ
昭和40年3月19日生まれ。
平成16年いまり法律事務所開設。趣味は,合唱,茶道,水泳,ラグビー観戦。
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2009年08月20日

人手不足と人余り

1 過疎・高齢化が進む伊万里で弁護士の仕事をしていると,高齢者に関する法律相談が多い。高齢者が悪徳商法にだまされて,高い商品をクレジットで買わされる。一人暮らしのお年寄りが借金を抱えて困っている。このような相談である。
自治体の福祉関係の職員の方々や,福祉施設の方々とも親しくなる。
2 ひとことで「福祉」と言っても,高齢者福祉,障がい者福祉,児童福祉の3つの分野に分かれる。障がい者福祉は,さらに知的障がい,精神障がい,身体障がいに分かれる。
そして,どの分野の福祉にも共通して言えることは,福祉に携わる人材の「人手不足」である。
3 他方,私は,万引きや空き巣で捕まった人の国選弁護も,しばしば依頼される。これらの人々は,仕事がなく,収入がないため,犯罪にはしる。
一方で人手不足が生じているのに,他方で仕事がなく困っている人がいる。なぜ,このようなアンバランスが発生するのだろうか。
4 「仕事がない」という人々の多くは,以前は建設関係の仕事に就いていた。伊万里も,ごたぶんにもれず,公共工事は減少している。建設業の仕事をしていた人々の中には,失業して収入が乏しくなっている人も多い。
5 逆に福祉関係が人手不足なのは,ハードな仕事の割に給料が少ないからだと思われる。福祉施設は,夜勤が当然の職場である。介護の仕事は,体力的にも精神的にも疲労が激しい。ところが月給は20万円に満たない。人手不足のため,ますます,職員の負担は大きくなる。
6 福祉関係の仕事をしている人々の待遇を改善するには,福祉施設の経営状況を公表する必要がある。施設は何にお金を使っているのか。決算書を公表すれば,それがわかる。本来,職員の給料にあてるべきお金を,他のことに使っていないか。
施設がぎりぎりまで節約しているのに,職員の給料を少額にせざるをえないのならば,それは介護の報酬が少なすぎるからだとわかる。介護報酬を増額する必要性について議論しなくてはならない。
7 福祉の職場の給料を上げ,十分な人材をそろえ,勤務時間を短くすれば,介護の現場の人手不足を解消できる。これは,障がい者施設,児童福祉施設にも共通していえることである。
そして,建設関係で働いていた人々を,福祉の仕事にシフトする。人余りの職場から人手不足の職場へ,人材を移動させる。これにより,雇用は確保される。
先細りが目に見えている建設業にしがみついているだけでは,伊万里に未来はない。

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Posted by そばお まさひろ at 21:55 │伊万里のまちづくり