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そばお まさひろ
そばお まさひろ
昭和40年3月19日生まれ。
平成16年いまり法律事務所開設。趣味は,合唱,茶道,水泳,ラグビー観戦。
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Posted by さがファンブログ事務局 at

2009年09月26日

政治家と官僚

 私は,平成10年まで,国税庁に約9年間勤務していた。
 公務員として勤務していて感じていたのは,政治家にもっと大胆に,改革を断行してもらいたいということだった。

 役所で仕事をしていて,「これは不合理だ。」と思うことはしばしばある。しかし,立場上,官僚はそれを公言することはできない。官僚は国民から選ばれたわけではないから,勝手に大きな改革をすることもできない。
 政治家から,「ここは不合理だから変えろ。」と言われる。
 官僚としては,一応反対意見を書かざるを得ない。しかし,官僚も心の中では,「確かに不合理だ。」と思っている。反対意見は書いた。しかし,政治家に「それでもやれ。」と言ってもらいたい。
 ところが,官僚が反対すると,政治家はなぜか主張をひっこめてしまう。
 官僚は優秀である。政治家が改革を断行して,大方針を示してくれれば,官僚はそれをなんとか実現してしまう。
 政治家に求められているのは,官僚が反対しても,必要だと思う改革を断行する勇気である。大方針を定めるのは,国民から選ばれた政治家の役割である。政治家が決めた大方針を,官僚は実現する能力を持っている。官僚は,勇気ある政治家の改革を待っている。
 官僚といえども,保守の権化ばかりではない。このような改革を待っている人もいる。
 官僚を敵に回すべきではない。政治家は,優秀な官僚を上手に使わなくてはならない。

 伊万里の市政も,同じである。市長が大方針を定め,改革を断行しなくてはならない。職員は,それを実現してくれるはずである。
  

Posted by そばお まさひろ at 22:47行政のあるべき姿

2009年09月17日

伊万里市民病院

 全国で,自治体病院に医師が集まらず,病院の運営が困難になっている。伊万里市民病院も例外ではない。
 平成16年の研修医制度の改革が遠因である。研修医は,自由に研修先を選べるようになった。その結果,地方の大学病院で勤務する研修医が少なくなってしまった。そこで,各大学病院は,自治体病院に派遣していた医師を引き上げている。医師不足に陥った自治体病院は,残った医師に過酷な労働を強いることになってしまった。
 医師も人間である。いかに情熱をもった医師でも,昼も夜も土日も働けと言われれば,辞めていってしまうのも無理はない。
 だからといって,研修医制度を昔の状態に戻すこともできない。自治体病院としては,他にはない特色と魅力を打ち出して,医師を呼ぶしかない。

 伊万里市民病院は,隣の有田町にある有田共立病院と統合する予定である。伊万里市は,統合により,病院の建物を新築し,病床数を増やし,スケールメリットにより,医師不足を解消したい意向である。
 しかし,建物を建てたところで,医師は来ない。そのような安易な手法で医師を呼べるなら,どこの自治体もそれをやっているだろう。しかも,新病院建設のために,54億円かかるという。借金漬けの伊万里市が,さらにそのような巨額の借金を背負うことはできない。

 私は,自治体病院に医師を呼ぶには,自治体の首長が,自治体病院の役割を明確に示すことが必要があると思う。過疎地の医療のために情熱を持つ医師はいる。首長が明確なビジョンを示せば,情熱を持った医師は来てくれる。
 伊万里市民病院に関していえば,私は,民間のクリニックや病院ではできないことをやってもらうのが,その役割であると考える。例えば,民間の医療機関が診察していない時間帯に診察をしてもらう。また,民間では採算がとれない病気の場合に,市民病院に診察してもらう。民間の医療機関を補完するのが,市民病院の役割である。
 できれば,地方の民間病院では困難な,高度な医療も市民病院に期待したい。現在の医師不足の状況では困難である。しかし,市長が明確なビジョンを打ち出し,医師が集まるようになれば,それも可能になる。

 市民には,市民病院を「コンビニ受診」しないよう求めたい。できる限り,まずは民間のクリニックで,診察時間内に診察を受けていただきたい。やむを得ない場合に,市民病院を利用するようにしていただきたい。それが,市民病院に医師を呼び,伊万里市民病院を残すための方策である。  

Posted by そばお まさひろ at 23:12伊万里市民病院

2009年09月07日

医療事故情報交流センター(仮称)設置の提案

 救急医療が破綻に瀕している。
 その原因の1つは,救急現場の医師の過酷な労働環境にある。また,救急医療は,医療事故を起こした場合の,訴訟のリスクも大きい。

 訴訟の問題については,解決は難しくない。

 これまで,患者は,治療行為に対し疑問があっても,それを相談できる場がなかった。最近は,患者が請求すれば,病院はカルテをほぼ開示する。しかし,カルテを読み取ることができない。専門家を捜し出して,なんとかカルテを読み取ってもらっても,法的責任を追及できるかどうかがわからない。患者は,医療事故がわかる弁護士にアクセスできない。弁護士も,医師の援助なしに,カルテだけから,法的責任があるかどうか判断できない。納得できない患者は,わからないままに訴訟を起こす。医師も,このような訴訟をおそれ,情報開示に消極的になる。悪循環である。

 そこで,医療事故に関する情報を交流させるセンターをつくることを提案する。
 このセンターには,医師と弁護士を置く。治療行為に疑問のある患者は,このセンターに問い合わせる。センターでは,患者の相談を受け,医療機関にカルテの開示を求める。開示されたカルテをセンターの医師と弁護士が読み取る。そのうえで,患者に対し,カルテの内容や,法的責任の有無について,アドバイスする。
 また,医師も,患者からクレームを受けた場合,このセンターに相談できるようにする。センターの弁護士は,医師の話を聞いて,法的責任の有無について,アドバイスする。
 これにより,医師に法的責任があるかどうかわからないままに患者が訴訟を起こすことはなくなる。医師も,無用な訴訟を起こされずに済む。
 逆に,法的責任があると思われる事故については,患者は高い壁に阻まれることなく,訴訟を起こすことができる。
 実際に訴訟になった場合は,センターの弁護士が代理人となるのは避けるべきである。他の弁護士を紹介するのが適切である。センターは中立の立場を取るべきである。
 
 このようなセンターを伊万里につくることを提案する。そして,伊万里では訴訟のリスクは少ないことを広く知らせて,救急医療に携わる医師を呼ぶ。医師が増えれば,1人あたりの負担も軽くなる。救急医療現場の過酷な労働環境も改善できる。
 患者の権利を擁護するとともに,法的責任の有無がわからないままに患者が訴訟を起こすことを防ぐための提案である。  

Posted by そばお まさひろ at 12:51弁護士日記