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そばお まさひろ
そばお まさひろ
昭和40年3月19日生まれ。
平成16年いまり法律事務所開設。趣味は,合唱,茶道,水泳,ラグビー観戦。
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2010年01月05日

私が「有田・伊万里統合病院」建設反対に至った理由

 先日,私は,以前から尊敬している,ある方とお会いしました。能力も人格も素晴らしい方です。
 彼は,責任ある立場で,有田・伊万里統合病院設置を推進してきました。
 彼は,住民の間に,統合病院設置に対する要望が強いことを力説し,「医師を呼ぶ自信はある。」と語りました。そして,私に対し,「なぜ,すでに動き出している今になって反対するのか。反対するなら,もっと早い時期にしてほしかった。」と述べました。

 「統合病院建設反対」を打ち出す時期が遅かったことについては,私も言い訳しにくいところです。ただ,親しい議員もおらず,政治的な力もない私のような一般市民が,「反対」の意思表示をするのは容易なことではありません。署名運動やデモ行進くらいしか方法がありません。そのようなことが,容易にできるでしょうか。選挙の際に,争点として「反対」の意思表示をするより他ありません。

 私は,統合病院建設に反対するに至った経緯を,その方にお話ししました。
 当初,私は統合に反対ではありませんでした。伊万里市民病院は,今のままでよいとは思いません。有田共立病院の建物も老朽化しています。統合して,効率化を図ることは,悪いことではないと考えていました。
 しかし,事業費が54億円かかると知ったときから考えが変わりました。費用がかかりすぎだと思いました。規模が大きすぎます。全国で医師不足が問題となっている今,巨大な建物を建てても,医師を集めることは不可能です。
 また,伊万里市の財政状況を詳しく調べれば調べるほど,財政が危機的状況にあることもわかりました。以前から,ばく然と,財政状況が厳しいことはわかっていました。しかし,これほどひどいとは思いませんでした。財政が破綻寸前なのに,54億円かけて病院を建てている場合ではないと感じました。
 その後,事業費が64億円に増額され,ますます反対の意思は明確になりました。

 統合病院建設は,伊万里市だけの問題ではありません。有田町との約束に基づくものです。できることなら,私も,お隣の町との約束を反故にすることは避けたいところです。しかし,財政が破綻しても,約束を守るべきなのでしょうか。
 私個人の事業であれば,苦しい思いをしてでも,一度決めた約束は守るでしょう。しかし,伊万里市の財政が破綻すれば,市民に犠牲を強いることになります。市民を守るべきか,有田町との約束を守るべきか。難しい選択ですが,市民を守る方を取らざるを得ません。有田町に対しては,大変申し訳ないところですが,損害を賠償して,契約を解除するしかありません。土地造成段階である今なら,賠償額はたいした額にはなりません。

 私は,時間をかけてこのような説明をしました。
 私がこの程度の説明したくらいで,彼が,「建設推進」から「反対」に立場を変えたわけではありません。しかし,彼は,「曽場尾さんが,なぜ統合病院に反対するのかわかった。」と,理解は示してくれました。そして,建設費については減額することも可能かもしれないとおっしゃいました。

 立派な人との間では,たとえ立場は異なっても,話し合いをすることで,歩み寄り,合意点を見つけ出すことは可能であると感じました。


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Posted by そばお まさひろ at 08:34 │伊万里市民病院